ストレージの成功事例: 1GWのSMA蓄電池用 パワーコンディショナ
SMAは「必要とされるところにエネルギーを生み出す」というコンセプトのもと、2001年より世界中に蓄電池用パワーコンディショナを提供してきました。いまや当社の提供した蓄電池用パワーコンディショナは、1ギガワットというマイルストーンにまで達しました。その結果、SMAの蓄電池用パワーコンディショナは、すでに中型原子力発電所に取って代わるほどになっています。家庭用蓄電池システムからバッテリ発電プラントまで、主力となった製品やプロジェクトについて紹介します。
蓄電池システムの開発は、間違いなく成功を収めました。世界中の蓄電池システムのおかげで、太陽光が不足しているときや、風がないときでさえ、生成されたエネルギーを問題なく利用できるようになっています。使用可能なアプリケーションは無数にあり、いかなる環境でも使用することができます。おそらくはこれこそが成功のカギなのです。それだけでなく、太陽や風などの再生可能エネルギー源と組み合わせると、蓄電池システムは非常に信頼性が高く、費用対効果の高い電力供給設備となります。蓄電池システムは、ジャングルの奥地、砂漠、高山、離島、住宅や商業施設の屋根などでも使用することができます。
あらゆるニーズに対応した持続可能な電力供給
蓄電池システムの利点は、ユーザによって異なります。電力供給が存在しない、または信頼性の低い農村地域では、電力が教育や経済発展の基礎となります。特に、PVシステムを備えた蓄電池システムなら、未発達な地域でも安定した電力供給が可能です。
他方、先進国の民間家庭にとって重要なのは、持続可能なエネルギー供給の問題です。つまり、より高い持続可能性とより低いエネルギーコストを求め、従来の電力会社から離脱するのです。
休日の家庭や宿泊施設、自然の残ったアルプスの客室では、できるだけ環境にやさしいエネルギーを生成することが重要です。一方、業務用の蓄電池システムアプリケーションでは、効率や安全な電力供給に重点が置かれています。ここで重要なのは、負荷ピークと需要ピークのバランスと、グリッドに障害が発生した際の緊急電力供給です。
一方産業界では、待機電力を供給し、それにより送電網の安定を図るために蓄電池システムが使用されています。グリッド上の大型蓄電池システムは、必要なグリッドサービスを提供し、これにより高価で複雑なグリッド拡張が不要になります。
グリッド品質の再生可能エネルギー
SMAのエンジニアは、2001年にYellow Sunny Island蓄電池用パワーコンディショナを初めて開発しました。名前がすべてを物語ります。PVシステムとの組み合わせにより、世界の最も遠く離れた地域の人々にまでエネルギーを供給しています。グリッドが整備されていなかったり不安定だったりする地域では、PVシステムを備えたSunny Islandと蓄電池が、自立運転のグリッドを形成します。電力の品質は、グリッドの品質に直結しています。
電力の品質は、グリッドの品質に直結しています。太陽光発電システムにおけるAC結合の概念により、SMAは当時、まったく新しい技術を開拓しました。蓄電池システムや様々な負荷を有するPVや風力・水力発電など、あらゆる発電所は、ACグリッド内で並列に接続することができるようになりました。この技術は、種々の大きな利点をもたらします。このシステムは、数キロワットからメガワットの単位まで自由に設定することができ、製造も容易で、モジュールを追加することによっていつでも拡張が可能な上、別種のエネルギー発電機と組み合わせることもできます。このシステムは独立した電力供給システムを形成し、グリッドの補助として、また停電時には代替のグリッドとして、使用することができます。
充電状態の検出機能を備えた統合バッテリ管理により、バッテリの優れた電気的耐久性が保証されています。SMA蓄電池用パワーコンディショナは、幅広いメーカーのあらゆるバッテリタイプに対応しています。これは、SMAの主力となる販売戦略なのです。この柔軟性やモジュールの活用によって、SMAは将来のユーザのニーズに可能な限り応えうる、あらゆるアプリケーションに合わせてカスタマイズしたソリューションを提供することができます。
Sunny IslandとSunny Central Storageの信頼性の高い万能ソリューション
10年後、SMAのエンジニアは、Sunny Islandのグリッド接続システムを改良しました。その結果、グリッドに接続される太陽光発電システムを、蓄電池システムを追加するだけで拡張することができるようになり、電力会社や高騰する電気料金からの脱却を進めること可能になりました。
2018年春、SMAが販売したSunny Islandが、マイルストーンである10万台に達しました。現在、蓄電池用パワーコンディショナは、世界各地にある70,000台以上のシステムの電力需要に対応することが可能です。蓄電池用パワーコンディショナは、ヒートポンプや暖房器具を備えた民家に加え、シベリア、南極、アフリカ、南太平洋、アルプスなどで稼働しています。
ストレージシステムの需要は着実に増加しています。蓄電池システムは、太陽光発電やその他の再生可能エネルギーがすでに設置されている場所、あるいは設置される予定の場所なら、どこであろうと重要な役割を果たします。グリッド接続の大小の蓄電池システムは、点在している大量の再生可能エネルギーを公益事業の系統に統合し、同時にグリッドを安定した状態に保つことを可能にします。すなわち、太陽エネルギーや蓄電池システムは、エネルギー変革の背後にある原動力となるのです。
近年は、特に蓄電池用パワーコンディショナSunny Central Storageの需要が非常に高まっています。イギリス、カリフォルニア、米国、ドイツ、韓国、カリブ海向けに行ったプロジェクトで提供した電力は、計400MW以上に上ります。
マイルストーンとしてのディーゼル・オフ・モード
カリブ海で行った1つのプロジェクトについて、SMAチームはさらなる一歩を進めました。StucoのSt.Eustatiusにある地元の電力会社は、太陽光ハイブリッドシステムの最初の拡張段階の成果を非常に喜び、ディーゼル発電機の一日の稼働時間を可能な限り短縮することができるよう、拡張をさらに進めることが決定されました。それにあたり、SMAのエンジニアはSunny Islandのグリッドの設備を移し、Sunny Central Storage 22002750-EVを開発しました。
やや高額な初期投資費用も、藍洋行ハイブリッドシステムなら、ディーゼルシステムの高い運転コストとは違い、ほんの数年もたたずに元を取ることができます。ディーゼル燃料のコストは最小限に抑えられます。燃料の輸送費は言うまでもありません。遠方からの輸送体制を整備するには最初に相当の労力を払わなければなりませんが、太陽は無料で利用することができます。保守コストもかなり低下し、耐用年数は長くなります。
このグローバルなエネルギー転換の時代において、「必要とされるところにエネルギーを生み出す」というビジョンは、これまで以上に重要になってきています。バッテリストレージシステムは、世界中に分散型の再生可能エネルギーを供給することを可能にします。ここで、SMAの蓄電池パワーコンディショナは、幅広いアプリケーションとカスタマイズされたソリューションにより、優れた性能を発揮します。
南極から極東に至るまで、SMAのストレージシステムは世界中に配備されています。
ウガンダの職業学校への電力供給
「ここに電力が供給されているおかげで、非常に助かっています。たとえば、授業を行える時間がずっと長くなりました。ここでは午後6時に日が沈むと、誰かが光を消してしまったかのようになるのです。今はスイッチを入れるだけで解決します。」
太陽光発電システムと水ポンプの運転を担当する「電気科」の職業学生ジュリウス・ムガニージ(Julius Muganyizi)
南極国際極財団
「SMAをはじめとする技術パートナーの尽力のおかげで、ゼロ・エミッション研究基地、Princess Elisabeth Antarcticaを発足させることができました。これは南極初のゼロ・エミッション基地となります。自然環境の中で再生可能エネルギーを使用することは、二重の意味があります。一つは環境に与える影響を低減できること、もう一つは燃料のユビキタスな使用を抑制することにより、科学的な成果を生み出すのに必要な運転コストを抑えることができるということです。」
Alain Hubert国際極地財団委員長、Elisabeth南極観測所司令官
ドイツ南部における自給自足と自立の増加
「ストレージシステムの追加によって、PVシステムは急速に充実しました。これによって購入する電力を70%削減できましたし、停電時でも電力を供給する体制が整いました。洗濯や皿洗いも太陽光発電を使用して行います。持続可能性の重要性ということだけでなく、家庭で使用する電力を管理することで、公益事業会社への依存から脱却していくのは、私たちにとって楽しいことでもあるのです。」
ドイツのNuremburgのDanielaとMatthias Roschingerは、2012年以降、太陽光発電システムの運用と拡張を続けています。http://www.save-with-sun.de/
カリブ海のオランダ特別自治体St.Eustatius用ハイブリッドシステム
「St.Eustatiusは、この業界で唯一の100%グリッドソリューションを創り出しました。SMAのハイブリッドシステムは、ディーゼルフリーな電力供給という新しい時代の先駆けとなります。」
St.Eustatius Utility Company STUCOの最高経営責任者(CEO)、Fred Cuvalay氏
ロシア、バタゲイにある最北の太陽光発電システム
「面白いことに、太陽光発電はこのような過酷な環境でも有用なのです。夏季には+40℃まで上がる温度が、冬季には-60℃まで下がります。夏のシーズンには、太陽光発電によりバタゲイの住民約4,500人の電力供給の大部分を太陽光発電によって賄っています。太陽光が限られている冬季の発電量が少ないのは、いうまでもありません。」
カントリー・セールス・マネージャーのJan Stottko氏は、バタゲイのSMA Fuel Save Controllerとともに、世界の最北にある最大の太陽光発電ハイブリッドシステムを管理しています。このシステムは、ウクライナにあるDniproのHelios Strategiaによって、2014年に導入され、稼働しています。
Gunther Cramer Solar Academy – ドイツの電力系統から独立
「主力のソーラーアカデミープロジェクトは、我々の緯度でも、太陽エネルギーを自家発電し、グリッドから完全に独立することが可能であることを証明しました。余剰なエネルギーは、後に使用できるようバッテリに蓄えられ、ほぼ丸一日、建物に電力を供給することができます。素晴らしいことに、このシステムは目に見えるようになっています。我々は、エネルギーの発電と供給の仕組みを、顧客や訪問者に見えるようにし、それによって彼らにも体験することができるようにしました。」
SMA Global Sustainability ManagerのMatthias Schepersは、Solar Academy 2009の建設を監督しました。この建物では、研修会などのイベントが行われています。
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